【安保法案の論点整理】作者からのお願い

【安保法案の論点整理】に目を通していただき誠にありがとうございます。

私は、国の在り方を大きく変える11本の法律案について、
国会議員が賛成であれ反対であれ、
法案の内容を理解した上で採決に挑み、
国の方向性をきめてほしい、
と思っています。

しかし、
●国会中継をテレビやインターネットで見ても、論点がつかめない、さっぱりわからない
●総理は、安保環境は変容した、平和のためだ、リスクはない、と、あの甘い顔と優しい声で話し、
●誠実で常識がありそうな中谷大臣と岸田大臣も、必要だ、平和だ、安全だと訴えている、
●一方で、戦争法案だ、憲法違反だ、デモだ、と世間は騒がしい、
●法案の規定を恐ろしげに説く人たちやニュースもある、
●本当のところ、これは必要なんだろうか、何が問題なんだろうか

ということを
国会の「平和安全法制に関する特別委員会」に参加していない
国会議員の皆さんが思っているのではないか、

と私は思いました。

今回の法案は、どっちに転んでも将来に禍根を残す可能性があります。
だから、今、議決権を持っている国会議員の皆さんに、
法案を考えて、理解した上で行動してほしいと思うのです。

国会議員が国民の側を向いて、正しく判断し行動すること、
そしてその事実を次の選挙で訴えることで、政治が回っていくように、
政治家も市民も、これから選挙権を持つ18歳からの若者たちも、
国政と選挙に対する意識を高めていった方がいいと思います。

参議院審議が60日で止められ、衆議院に戻されて即日採決される可能性がありますから、
衆議院の国会議員に情報を届けたいと思っていますが、
法案が、参議院で可決されれば「成立」、否決されれば、衆議院に戻され「再議決」されます。
参議院で、時間切れで採決が行われなかった場合はどうなるのか・・・?

しかし、継続中の参議院審議の論点整理と
国会議員への働きかけを
一人で同時並行はとてもできません。

そこでお願いです。
【安保法案の論点整理】が、国会議員に届くよう、理解が深まるよう、
知り合いの国会議員に働きかけていただきたいのです。
また同時に、安保法案がわからなくて、とまどい、不安を感じている
市民の皆さんにも、隣人にも届くよう
このサイトと文書を「拡散」していただきたいのです。


「忙しくて、こんなに長い文章を読む時間はないよ」とよく言われます。
興味がなければ、一般市民は読まなくてもいいです。
(一般市民が理解できるように、マスコミや解説者がこれを利用してくれればうれしいです)

でも、国会で議決権を持っている国会議員は、
議事録を読むか、インターネット中継を見るか、
参考までにこの【安保法案の論点整理】を2時間ぐらいかけて読む、

それぐらいの時間は作っていただけたらと思います。

昭和47年見解の読み方

1946(昭和21)年 日本国憲法公布
からずっと、憲法9条の下で我が国の防衛をどうするかが国会で議論され、さまざまな法制が行われてきた。

1950年(昭和25) 治安維持を目的とする「警察予備隊」が創設され、
1954年(昭和29) 「自衛権の存在」を根拠に、自衛隊・防衛庁発足

以来、自衛隊が強力な軍隊になってきたため、憲法9条の下での正当化が難しくなってきた。

1955年(昭和30) 鳩山首相、憲法改正の必要性を説く。
1956年(昭和31) 我が国が攻撃された場合「座して自滅を待つべき」とは考えられない。必要最小限度の措置をとることは自衛の範囲に含まれる。
1961年(昭和36) 自衛隊法の武力攻撃と間接侵略
1967年(昭和42) 自衛力の限界(自衛隊増強の限度)
1970年(昭和45) 自衛権行使の前提となる武力攻撃の発生の時点

憲法9条、自衛権の存在、肥大する自衛隊の在り方について、国会で何度も議論が行われてきた。

そんな中で、昭和47年政府見解が出された。
これは、「憲法改正したい」「9条を守れ」「自衛権、自衛隊の存在容認」など様々な意見がある中でひねり出された一つの見解であると考えられる。

背景をそのようにとらえた時、昭和47年見解を、次のように読むことができる、と思う。

【1】憲法第9条は、戦争放棄、戦力保持を禁止しているが、前文で「生存権」を確認し、また、第13条で「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」を定めていることから、(日本国憲法は)自国の存立を全うするために必要な自衛の措置をとることを禁じていないと解される。」

【2】「しかしながら、自衛の措置を無制限に認めているとは解されないので、外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底からくつがえされるという急迫、不正の事態(=武力攻撃のこと)に対処し、国民の権利を守るための止むを得ない措置としてはじめて容認されるものであるから、その措置は、右の事態を排除するためとられるべき必要最小限度の範囲にとどまるべきものである。」

【3】「そうだとすれば(=もし【1】【2】の解釈が容認されるとすれば)、
わが憲法の下で武力行使を行うことが許されるのは、わが国に対する急迫、不正の侵害に対処する場合に限られる。
したがって(for this reason:わが憲法の下で武力行使を行うことが許されるのは、わが国に対する急迫、不正の侵害に対処する場合に限られる、という理由から)
(我が国ではない)他国に加えられた武力攻撃を阻止することをその内容とするいわゆる集団的自衛権の行使は、
憲法上許されないといわざるを得ない(許されて海外派兵したいけど、残念ながら許されないのよ、アメリカさん)

整理すると、
「他国に加えられた武力攻撃を阻止することをその内容とするいわゆる集団的自衛権の行使は、憲法上許されない」
が結論で、その理由は、
【1】【2】と【3】の「したがって(for this reason)」の前まで


横畠法制局長官が考え出した47年見解「あてはめ論」は、
【1】自衛権はある。
【2】存立危機事態であれば自衛の措置は容認される。
ところで、今という時代は、
「外国への武力攻撃によっても我が国が存立危機事態になることがある」
だったら、【1】【2】を根拠に、【3】を今の時代に当てはめれば、自衛の措置(武力行使)は容認されるよね
、という考え。

横畠氏のロジックは、
油断すると足を取られそうになるけれど、直感的にも論理的にも納得できないし、
「わが国に対する急迫、不正の侵害に対処する場合に限られる」を突然180度転換するのは暴挙だし、
なにより、過去の戦争の反省から生まれ、武力行使を禁じた平和憲法の精神を全く顧みない論拠であり、
それを失うことは日本の平和を失うことに等しいと思う。


昭和47年のもう一つの変化、なぜこの年に見解を発表する必要があったか・・。:
1972(昭和47)年5月15日 沖縄返還
それ以前の防衛論争では、「専守防衛」が大前提として議論されてきたが、
昭和47年に、米国が「沖縄を返すかわりに、集団的自衛権を行使できるようにしろ」と日本に要請してきたのではないか、
そのため、「集団的自衛権」が突然、検討事項として発生し、
そして政府は、「それ(集団的自衛権)はだめよ」というロジックを生み出し、昭和47年見解で発表したのではないか、と私は思う。

シロウトの考えですけど・・・
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自衛目的限定の集団的自衛権なんて通用しない

ガラパゴス日本オリジナルの限定的な集団的自衛権

私の理解は:
友達がナラズモノに、ナイフで刺された(密接国が攻撃受けた)とき、自分が友達に報復用のナイフを渡す。
友達がナラズモノに、からまれた(切迫事態)とき、友達の側に駆けつけて加勢する。
友達がナラズモノに、ガンつけられた(予測事態)とき、友達の後ろに立ってガンを飛ばす。


7月29日の参議院質疑で、次も加わったよ(7月28日、参議院、大塚耕平氏の質疑にて)。
我が国に対する攻撃の意志がない国に対して新三要件があてはまれば、我が国から攻撃する可能性を排除しない(中谷防衛相)
相手が、攻撃の意志があることを隠しているかもしれない。相手の意志は総合判断の要素。(総理)


私の理解:
友達がナラズモノに、やられそうな「予感」がする(予測根拠もない事態)とき、友達といっしょに相手に「先制攻撃」する。

どっちにしても、ナラズモノにだってやられっぱなしじゃない、
こっちにまで報復してくることは容易に想像できるから、私はいやだなぁ。

総理は、「こっちは安全、リスクはない」というけれど・・・、
親分(米国)より子分(日本)が先にたたきのめされる、っていうのは時代劇の定番だよなぁ。

そのうえ、
自衛隊は、「第一線の救護能力向上」として、
「顔面破壊写真、両足切断写真などの資料をもとに
医療関係者が第一線における医療行為の検討を行っている」

というんだからなぁ(7月28日、参議院、大塚耕平氏の質疑にて)。
しかも「医療行為よりも戦闘を優先させることもある」ときた。

さて、余談が長くなったが、ここでは「ニカラグア事件」について書きたい。

集団的自衛権は自国が直接攻撃を受けていないにもかかわらず
自国と密接な関係にある他国に加えられた武力攻撃に対し
自ら武力をもってこれを阻止排除する国際法上の権利だ。

1981年、中南米のニカラグアで社会主義的な革命成立したとき、
アメリカのレーガン政権が軍事介入を行い、ニカラグアの反政府軍に武器支援を行った。
このときアメリカは周辺国(エルサルバドル)支援のための集団的自衛権の行使であると主張した。

しかし実際のところ、周辺国は米国に支援を要請しなかったし
ニカラグアから周辺国への武力攻撃もなかった

米国の攻撃を受けたニカラグアが国際司法裁判所に提訴した結果、
米国の「集団的自衛権」という主張は否定され、米国からニカラグアへの損害賠償が命じられた
(米国は判決に従わず、ニカラグアへの損害賠償もしていない)。

この裁判の判決によって、集団的自衛権の行使条件として、
武力攻撃を受けた国がそのことを自ら宣言することと、
当該国家からの要請があること、

という二要件が必要であると認定された。

米国は、自分が欲しいものが世界に見つかると、
その近くに行って周辺国と友達になって、
その友達が相手から「攻撃された」という状況を作り出し、
その友達から「要請」された、と口実をつくって、
「集団的自衛権の行使」を大義名分に、
欲しいものを取るための戦争、紛争に突入していく。

法案が通れば、米国の利益は日本の利益、そこに日本が従っていくということになる。
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「戦争しない積極的平和」ガルトゥング博士のこと

まずは、うれしいうれしい「Q&A」を見つけました。
●国際平和のためには、憲法第九条の信念を貫いて、日本が紛争国の仲裁に出ることだと思っています。→賢明なご指摘です。日本が・・・

次に本題、
「これからの我が国防衛」を考える途上、この本と出合いました。
「ガルトゥング紛争解決学入門」(法律文化社)
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「戦争をしない積極的平和」を世界に広げること、それは憲法9条を持つ日本だからできること、でも日本は戦後70年間、それをしてこなかった
日本語版への序文(2014年4月)は痛烈です。

【呼びかけ人】「積極的平和」の提唱者で「平和学の父」ヨハン・ガルトゥング博士を日本に!

【朝日新聞】積極的平和主義の提唱者、来日へ 「9条守ると主張を」

博士は上記の本の序文で、いきなりピンポイントアドバイス!
政治家の「解釈」に裏切られ、心地よい惰眠をむさぼる枕として平和運動に利用されてきた9条には、「専守防衛」と「積極的平和」という2つの堅固な支柱が付加されるべきであった。

世界はだれかが攻撃してくるかもしれない危険な場所となりうる。だから、攻撃や費用の高くつく軍備競争を挑発しないことが重要である。そのためには、戦争を自国の土地に限ることであり、防衛手段としては、通常兵器(全く攻撃的でない、射程の短い、固定兵器でよい)で十分である。

われわれは、今日と明日の紛争をいかに解決するか、昨日の癒されないトラウマをいかに和解させるかを学ぶことができる。更に、相互のかつ公平な便益を求めて他者といかに協力するか、他者がどう感じているかを知るため十分な共感をいかに発展させるかを学ぶことができる。
「ガルトゥング紛争解決学入門」(法律文化社)の「日本語版への序文」より引用


そして、次のような日本への期待(というか、まだ実現できていないことへの批判)が書かれています。

●日本が、それらすべてに熟練者を育て、紛争当事者を助ける主宰者になり、世界に9条を普及させる
●兵器級プルトニウムの生産疑惑をもたれないように原発を廃止し、東アジアや東北アジア共同体に隣国として参加
●尖閣諸島(中国と紛争中)、魚釣島(韓国と紛争中)は、共同体所有とし、日本、中国、韓国で収益を分配


●その場合、他国は戦争のリスクなく、(日本への)投資や貿易を行うであろう。そして好戦国からの攻撃は抑止されるであろう。

憲法第九条の信念を貫いて、日本が紛争国の仲裁に出る、という国際貢献の可能性、実現方法をこの本で学びたいと思う。

おおおぉ!こんなサイトもあった。
平和的手段による紛争転換NGO トランセンド研究会
(思ってはいるが読むのに時間がかかりそう。若くて頭の回転の若い方たちにもぜひ取り組んでほしい。)

「太平洋戦争」を理解するための一冊

大日本帝国が、アジア太平洋戦争においてアジア諸国民等二千万人以上、日本国民も三百十万人以上の命を奪ったとされておる惨劇がありました。(7/6、石河、参考人質疑)

日本、どんだけ悪いことをしたの?

戦後生まれの、更に次の世代以降の人たちは、
日本が戦争を引き起こした、なんて想像もできないし、知らない、
という人が多いだろう。

実は、戦争体験のある、おじいちゃん、おばあちゃんたちも、
日本が世界で、アジアで何をしてきたのか、ほとんど知らない。

ただ日本にいた自分たちが苦労したこと、
だから戦争は二度と嫌だと思っていることは、毎年、お盆のころに話題となっている。

海外派兵させられて、地獄を見てきた元軍人たちは、
帰国してみたら日本は民主主義の国に変容し、敵国であったアメリカを礼賛、
「実はアメリカと戦ってました~」なんて今更言えない雰囲気。


戦後50年にあたる1995年、当時の村山内閣総理大臣が発表した声明:村山談話
「我が国は、遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えた。」

誰も何も教えてくれない、誰も何も知らない、
「先の大戦で、日本は何をしたの、何があったの?」
と眼をぱちぱちさせるしかない。


第二次世界大戦
ドイツ軍のポーランド侵攻(1939年)と、日本が米国の真珠湾を先制攻撃したことが(1941年)が原因で、
〔枢軸国:ドイツ、イタリア、日本〕と
〔連合国:アメリカ・イギリス・ソビエト連邦・フランス・中華民国等〕が、
1939年から1945年までの6年間、
全世界的規模の人類史上最大の戦争をした。
軍人・民間人の被害者数の総計は世界で5〜8千万人に上るといわれている。
特に、日本等とアメリカ・イギリス・中華民国・オーストラリア等が戦った戦争は「太平洋戦争」と呼ばれる。

●参考資料:第二次世界大戦の死者数
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("World War II Casualties2" by 英語版ウィキペディアのOberikoさん. Licensed under CC 表示-継承 3.0 via ウィキメディア・コモンズ - )

(私はこう読む)
●ソ連(Soviet Union)の犠牲者は、ドイツ軍に殺された人たち。ドイツ軍はモスクワまで侵攻し当時のソ連(ウクライナ、ベラルーシ等も)を破壊しつくした。
●中国の犠牲者は、日本軍に虐殺された人たち。民間人の犠牲が多い。
●ポーランドでは、ドイツのナチスドイツによってユダヤ人が虐殺された。
●ドイツは戦況不利になってから本土攻撃され壊滅的に。
●日本は本土攻撃を免れた。他国に比べ民間人の被害が少ない。

私は歴史の勉強がきらいだった、戦争の歴史なんて勉強して何になる、と思っていた。
でも、仕事で中国に行って中国人と友達になって、
彼らの祖父母が日本兵に殺されたと聞いたとき、
何も知らない自分がショックだった。知らないでは済まされないと思った。

それからは、知りたいし、知らなければいけないと思ったけれど、
歴史の本には、たくさんの人名、地名、難しい漢字、複雑な人間&国際関係・・・
本を読もうと思っても、読み切れない、読んでも理解できない・・・


最近たどり着いた、わかりやすい方法は、昭和天皇の目から戦争を追うこと。
「昭和天皇実録」の謎を解く 文芸春秋
昭和天皇実録、全61巻、1万2000ページを徹底検証

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この本を一冊読んだだけで、先の戦争がすっきりとわかった、ような気になれた。
開戦の経緯・・・西洋好きで戦争反対であった天皇が、開戦を決意した背景とは。
停戦の模索・・・天皇は開戦当初から停戦を模索していたが、戦況はエスカレート、泥沼化した。1年早く停戦していれば、沖縄戦も原爆も本土空襲もなかった。なぜ止められなかったか。
終戦の決断・・・陸軍が本土決戦を叫ぶ中でのポツダム宣言受諾。

太平洋戦争の始めから終りまで、この本でたどれると思います。おすすめです。

戦争の始めと終わり/NSチャートに隠された問題点

「わかりやすい」と好評をいただいております、「新安保法による、戦争の始め方、割り方」の図について。

衆議院の審議中、このチャートのように、順を追って、条件と行為の関連付けをして全体像を示唆した「発言」はなかったと思います。審議中、ばらばらに出てきた「条件と行為」の関連を何度も何度も絵にかいてまとめました。

ですから、この図が正しいかどうか、逆に総理にお聞きしたいです。

このNSチャートには「歯止め」とされる様々な条件がありますが、
すべての歯止めを無効化する一つの条件があります。

「他に手段がない」
これは、ふつうに考えれば、
日本がやらなくても他の国ができる、他の外交的平和的手段がある、しばらく様子見してもいい、
などのケースでは、「他に手段がある」という歯止めになると考えられますが、

国会では異次元の日本語が使われていますから、惑わされないように!

「日米同盟に傷をつける(つまり米国からの要請を断る)ことはありえない」、
と時の政権が判断すれば、
しかも、砂川事件時の「跳躍上告(地裁で「違憲判決」がでた後、最高裁裁判所の長官がマッカーサー駐日米大使と会い、高裁をスキップして、ただちに「最高裁にて合憲判断する」という密談をしたらしい。)」のように、
米国の圧力を受け、国会承認手続きをパスして閣議決定すれば、
米国に要請された全ての案件が、「他に手段がない=Yes」と判定され、
どんな案件でも、たちどころに、米国等の後方支援として海外派兵され得るのです。

米国は、日本の後方支援(という名の兵站活動)を当てにして、米軍の兵站部隊を縮小する。
そうなれば、平時から、海外に展開中の米国軍隊の後方に日本の自衛隊がはりついている、という状況が生まれるでしょう。
「他に手段がない」は、自衛隊の海外派兵の歯止めではなく、
「ここに手段がありますよ~」アピールになってしまう。
そんなにまでして、世界の平和のために武力貢献したいのか、日本は?

衆議院では「他に手段がない」は、野党に軽くスルーされました(野党側からの追及はなし)。

「重要な影響」「明白な危険」の中身があいまいだ、ということについては、衆議院でも多く議論され、
「個別具体的、総合的、客観的に政府が判断する」で落ち着いちゃっています。

私は「他に手段がない」の方が、日本語の使い方、変じゃないとの思いから危機感を覚えます。1_5.jpg


国会議員さん、自ら勉強して、本物の政治家になってください

「安保法案の論点整理」のホームページが完成した、8月15日、
朝日新聞、読売新聞、毎日新聞、 産経新聞、共同新聞、日本経済新聞、東京新聞、千葉日報、神奈川新聞、沖縄タイムス、琉球新報、秋田魁新報の12新聞社に、サイトを紹介するメッセージを投稿し、次のようなお願いをしました。

このサイトと文書の存在を、国会議員の皆様にお知らせしたいのですが、時間も限られている中で手段がわかりません。もし貴社の媒体でこのサイトを紹介する記事を出していただければ、一人、二人と理解が広がるのではないかと期待しております。個人的に、国会議員の知り合いはおりませんが、もし、出会うことがあれば、こう伝えたいです。
「勉強して、本物の政治家になってください。」


国会議員に向けて「勉強しろ」だなんて、生意気だ、あんた何様?(自分つっこみ)

国会に提出された法律案は、衆議院、参議院の本会議で決議されますが、
その前にテーマ毎の特別委員会で集中審議されます。
特別委員会で採決された法案が、本会議に送られます。

安保法案の場合、衆議院の特別委員会で集中審議され、
与党多数で可決された後、本会議に送られました。
そして、7月16日の本会議で与党多数の賛成で可決されました。

ちなみに、特別委員会の名前は「我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会」、通称「安全保障特別委員会」。「国際社会の平和安全」という言葉がわざわざ使われているところに政府の意図が感じられる名前です。

安全保障特別委員会に入っていない国会議員は、法案の中身も、委員会の審議内容も知らない人が多いと思います。
ニュース報道で概要を知るだけの人も多いでしょう。仮に、インターネット中継や議事録で審議内容を調べたとしても、討論事態がカオス(ぐちゃぐちゃ)なので、理解できない、という思いが募ると思います。

結局、本会議でほとんどの国会議員は、党の方針に従います。
法案は理解が難しい、集中委員会や党の幹部会議で決まったことなら、従えばいいじゃないか、と思うのでしょうか。

もしそうだとすれば
(この文言は横畠内閣法制局長官の声で聞こえる。国会審議の視聴が、ときにトラウマを生むこともあるのだ。嫌だ嫌だ、と思いながら、「言い癖」が自分にもついてしまっている。その上において、最近、私の日常会話も「国会調」になっている。やめてくれ!)

(もう一回)もしそうだとすれば、
本会議で議決権を持っている国会議員の方に、
「安保法制の論点整理」のサイトを紹介して、「勉強してください」と伝えることも
--秋田の一市民が国家存亡の危機を感じて必死になっているこの状況でなら--
「あり」かなぁ、と思ったのです。

日本の企業には、「上司の意向に従わざるを得ない風土」があります。
私(民間)企業の場合は、会社のオーナー(所有者)や社長が、社員を選んで雇用し、給料を払って仕事をさせる仕組みだから、
上司(社長につながる内部統制の連鎖)の意向に従わない社員は、上からの圧力で雇用関係や業務内容を変える、
というのも仕方がないかもしれません。
私自身、上司の意向に反したことが原因で辞職に追い込まれたことがあります。

日本の政党、国会議員も、「党の意向に従わなければいけない」、暗黙ルールがあるようです。「内部統制」とも呼ばれます。

比例選挙で当選した議員は、党の方針に従うのが当然かもしれませんね。
でも、選挙区で選ばれた議員の場合はどうでしょう。
日本全国の選挙区の国民は、選挙の際に候補者の所属する党にすべてを白紙委任した、と言えるでしょうか。

国会議員に仕事を委託し、国会議員の給料を払っているのは、党ですか、国民ですか。

とはいっても、党の推薦がなければ、次の選挙で勝てない、という危機感があるわけです、それで当選した議員には。
そして、毎回、投票率が低いので、固定支持層を持っている政党が有利になる、「寄らば大樹の陰」は勝ち戦略になるのです。
だから、安保法案の採決においても、党の方針に従わざるを得ないと考える与党議員が多数いるだろうことも予想できます。

それでもなお、「国会議員さん、自ら勉強して、本物の政治家になってください」と願わずにはいられません。

今回の安保法案と国会(衆議院)の審議は、あまりにも異常であり、こんなやり方を日本の政治の慣例としてはいけないと思います。

安保法案の源流、国家安全保障局のこと

安保法案に関する衆議院審議を追いかけていて、一番びっくりしたのは、「国家安全保障局」の登場。

2014年(平成26年)1月に発足した「国家安全保障局」が、今回の安保法制の整備について「調整役としての役割」を担っているとのこと。
法案を作ったのは君たちだったのかい!

我が国政府としては初めての、外交・防衛の基本方針となる「国家安全保障戦略」が、2013年(平成25)12月17日の閣議決定された。
平成25年12月17日国家安全保障戦略(概要)
この内容はまだ、専守防衛を基本とする穏健なものであった。

変容したのはここから

憲法第9条の規定は、我が国が当事国である国際紛争の解決のために武力による威嚇又は武力の行使を行うことを禁止したものと解すべきであり、自衛のための武力の行使は禁じられていないと解すべき。

「自衛のための措置は必要最小限度の範囲にとどまるべき」とのこれまでの政府解釈に立ったとしても、「必要最小限度」の中に集団的自衛権の行使も含まれると解釈すべき。


国家安全保障局や安全保障会議の職員さんは
「なにそれ?」って思わなかったんだろうか。


そうしてまとめられた報告書
「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」報告書(ポイント)
「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」報告書(概要)

今の安保法案のベースとなったのはこれ
平成26年度以降に係る防衛計画の大綱(概要)


こんな危ない情報は書きたくないです。
でも、国会議員の皆様、どうかまず、こういう教科書的なテキストを勉強してから、国会審議に臨んでください。
この情報を予習していれば、衆議院の100時間以上の議論は、三分の一ぐらいで済んだと思います。

もしも安保法案が成立して、
日本が米国等が始めた武力紛争に、
「日米同盟は重要だから、もちろん重要影響事態だ」と判断して、
弾薬や燃料を、日本からどんどん輸送し、後方からせっせと補給し、

もしもたった一人でも、自衛隊の犠牲者が出た時、

(どうしてこんなことになったのだろう)
と、犠牲者の家族はきっと思うだろう。
それが、一人なのか、一万人なのか、わからないけれど。

(どうしてこんなことになったのだろう)
その源流を捜す作業は、後になればなるほど難しくなる。

今は ビッグバン前夜 なのだろうか。

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日本が攻撃されたらどうするか

「我が国の平和と安全のために、再軍備が必要」、と考える人たちは、
国際情勢にリアルな危機感を感じ、焦燥感 にいてもたってもいられないのかもしれない。

で、私はどう考えるかというと、

現実的な、やられるかもしれない危機はあると思う
(あると思わないが、あると想定してもいいと思っている)。
日本の防衛力が弱くて、外国の武力侵害を許してしまったら、
原 発の一基、二基、ミサイル攻撃にあったり、
離島が占拠されたり、
国土が破壊され、たくさんの人が亡くなるかもしれない。

しかし、日本政府を転覆させ、日本全土を植民地にしたい、という目的で日本が攻撃されることは、ないと、楽観的に思っている。
爆撃で荒廃した土地や、核で汚 染された土地、反逆的な生き残りが住む土地を欲しがる侵略者は、いるとしたら、宇宙人ぐらいだろう。

ちょこっと侵略された時点で、大声で国際社会に訴え、
国際社会全体が悪者国を糾弾するように仕向ければ、
攻撃は収まるんじゃないかと思う。
そうなるように、平時から外交や国際貢献をしっかりやる、それはもちろん大前提。

逆に、もし日本が外国との交戦権をもって、盛んにドンパチやったら、
日本の全原発が標的になり、日本の国土全部が破壊されると、全滅になると悲観的に思っている。
米軍に武器弾薬、水も薬も食料も、なんでも提供、輸送も防護もします、となれば、米国より先に日本が標的にされると思っている。

局地的な被害ですむか、全滅か、を比べたら、全滅はいやだよなぁ、という方に傾く。

こちらが勝ちたいと思うとき、相手も負けたくないと思っている。どっちもどっちで引けなくなる。
だから「戦争は絶対だめ、少しだけなんてない、ちょっともやっちゃいけない」という意見に組する。

これとちょっと違うのがアメリカの戦争。
アメリカは、自国領域が攻撃されるのをちょっとも許さない。
許さないために、圧倒的な力で、相手を叩き潰そうとする。
で、やりすぎになる。長期になる。報復テロを生む。

私は、ゴキブリを見ると、もう、アメリカになっちゃう。
絶対やだ、たたきつぶしちゃる。

でも、ゲジゲジやミツバチなら、(まぁいっか、刺されても自分が死ぬことはないし)と思う。
スズメバチだって、一匹なら、最悪刺されても仕方ないと思う。
で、何を言いたいか、というと(脈略なし・・)、

安全保障環境の変容、という危機感と正面から向き合い、
どう世界の危機に対応するかを、私たちはちゃんと考えなければいけない。

自衛隊、守るべきは「非戦のブランド」。
11人の元幹部自衛官・安全保障論の専門家による、日本の国防を考えるための入門書!
<リンク>自衛隊を活かす
こういう本を参考にしながら → Amazon

自国防衛、個別的自衛権

日本でも、自衛のための武力行使が容認されている。
個別的自衛権は使ってもいい、ということになっている。

憲法9条では、国際紛争を解決する手段としての、
武力の保持、行使、交戦権を禁止しているけれど、
憲法の他の条文で、「生存権(生き続ける権利)」が保証されているから、

生存(国の存立)に関わる事態の場合は、
武力を使って追い払ってもいい、という解釈がされている。
(「解釈」という言葉、最近、悪役に見えてきた。「解釈」君が気の毒だ。)

隕石が落ちてきたらミサイルで撃ち落とす、とか、
宇宙人がせめてきたら防戦する、とかは問題なくOKなんだろう。

とにかく、自衛隊が国防軍として武力を保有してもいい、使ってもいい、という解釈ならば、
我が国防衛のために、必要最小限と言わず、十分な軍備を持った方がいいのかもしれない。

同盟組むなら周辺国と。
お隣同士の喧嘩が一番怖い、って今の状況はなによ。
同じ黄色民族で血縁だって近い。
仲良くできない理由は、先の大戦、日本から仕掛けた侵略戦争の検証ができていないこと。

北朝鮮に拉致された人たちは本当に悲劇で、
日本人はみんな「なんとかせよ」って思っているけれど、

戦時中に日本が朝鮮(今の韓国、北朝鮮)や中国から民間人を強制連行して、そのまま母国に帰国できずに行方不明になった(殺されたり帰国手段を奪われた)人たちの悲劇を
「朝鮮人よ、中国人よ、そのご家族よ、忘れてください」、って言えないでしょう。

検証して、慰霊碑や記念館を建てて、
盆も彼岸もいっしょになって拝む、

「二度と繰り返しません」という言葉は、何を繰り返さないか分かってから言ってほしい。
何があったのかも知らず、自分たちが大変だった、悲しかった、それを繰り返したくない、っていうだけでは
ちょっとなぁ・・・。

日本が戦後処理をきちんとやり遂げて、
アジアの国々とNATOやEUのような同盟をむすんだら、
もうアメリカなんかに頼る必要はないんじゃないか。
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anporonten

Author:anporonten
秋田県横手市在住の一市民です。
私は、「平和安全法制」の法案に関する国会の審議記録を精査し、論点と問題点を整理し、「安保法案の論点整理」のホームページで発表しました。その後、2015年度補正予算案の審議、2016年度通常国会の審議と追跡を続けています。

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